創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑪

  • 2021.04.20

Ⅱ 人間が万物の基準である(8)  2.古代ギリシアとローマの人間中心主義 2)ヘレニズムの教会支配 BC332年、マケドニア(ギリシア)のアレクサンドロス大王がアケメネス朝ペルシャを滅ぼすと、ユダヤの国も大王の支配下に置かれ、ヘレニズム(ギリシア)文化の影響をもろに受けることになります。ギリシアのあと地中海世界の覇者となったローマ帝国も、ヘレニズム文化を全面的に引き継ぎました。ローマの属国となっ […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑩

  • 2021.04.16

Ⅱ 人間が万物の基準である(7)  2.古代ギリシアとローマの人間中心主義 アダム以来の「人間を万物の基準」とす系譜を受け継いだのが、古代ギリシアとローマです。それは、人間が作ったさまざまな神々があふれる世界、ヘレニズムと呼ばれる人間中心主義の潮流です。 1)古代ギリシアの人間中心主義 紀元前五世紀の哲学者でソフィストのプロタゴラスは、「人間は万物の尺度である」と唱えましました。彼はこう言います。 […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑨

  • 2021.04.13

Ⅱ 人間が万物の基準である(6)  ⑤列王記、歴代誌の時代・・・偶像礼拝 さて、およそ五百年に及ぶイスラエルの王たちの時代は、偶像礼拝の時代でした。本来、イスラエルは唯一神信仰の民族であり、イスラエル起源の偶像神はありません。イスラエルの神は、偶像を作ること、偶像を拝むことを厳しく禁じておられました。しかし、イスラエルが獲得した「約束の地」は、カナンの七民族をはじめ、エジプト、ペリシテ、アラム、ア […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑧

  • 2021.04.09

Ⅱ 人間が万物の基準である(5)  ④コヘレトの言葉・・・虚無主義 さて、「士師たち時代」から「王たちの時代」に移ります。この時代、「人間を基準とする」生き方は、もう一つの頂点に達します。「虚無」です。 「ダビデの子、エルサレムの王、コヘレトの言葉」。イスラエルでも最も知恵と知識と富とを極めた偉大な王コヘレトが、この世のあらゆる事々を味わい、探究して行き着いた結論です。それは「空の空/空の空、一切 […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑦

  • 2021.04.06

Ⅱ 人間が万物の基準である(4) ③『士師記』の時代・・・多元主義、相対主義 それに対し、創造主は、アブラハムというひとりの人物を選んで契約を結び、その子孫イスラエルを「神の民」とし、彼らを通して、「神が万物の基準である」ことを回復しようとされました。イスラエルに、神の聖さと善悪の基準であるトーラー(律法)を与え、彼らによって世界に神の基準を示そうとされたのです。 しかし、そんな神の選びの民であっ […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑥

  • 2021.04.02

Ⅱ 人間が万物の基準である(3) 3)人間を基準とする社会の構築  ①人間崇拝の始まり 『創世記』は、神が、「神に似せて、神のかたちに」人間を創造したと語ります(1:26、27)。これが、神を基準にした人間観です。 しかし、人間は神に反逆して、自らが「神のように」なり、そして「人間に似せて、人間のかたちに」神々(偶像)を造り、その神々を拝むようになりました。神々は「人間のかたち」なのですから、人間 […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準⑤

  • 2021.03.30

Ⅱ 人間が万物の基準である(2) では、人間が万物の基準となっていく過程を、聖書がどう語っているかを見ていきます。  2)創造主が定めた基準の破壊 自分自身を基準にして生きるようになった人間は、創造主を基準とするあり方を破壊していきます。 ①人間の命の尊厳の破壊 まず、神が定めた「人間の命の尊厳」が損なわれます。アダムの子カインが妬みと怒りに突き動かされ、弟のアベルを殺したのです。最初の殺人です( […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準④

  • 2021.03.26

Ⅱ 人間が万物の基準である(1) 聖書は、創造主を万物の基準とする書ですが、同時に、人間を万物の基準とする原理についても語る書です。その起源、歴史、意味、結末を明らかにしています。むしろ、この二つの原理がぶつかり合う歴史を綴っていると言えます。 では、まず聖書に沿って、その起源と歴史を見ていきます。ここからは、聖書に従い、創造主を「神」という言葉でも呼ぶことにします。 1.人間を万物の基準とする原 […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準③

  • 2021.03.23

I 創造主が万物の基準である(その2) 神の民イスラエル民族(ユダヤ人)は、「創造主が万物の基準である」という教えを、今日まで継承してきました。『ヘブライ聖書』(旧約聖書)は、創造主とイスラエルとの間で結ばれた「契約の書」であり、創造主を万物の基準として記されたものです。そして、ユダヤ人から生み出されたキリストの教会も、これと同じ教えを受け継ぎました。キリストの教会が記録した『新約聖書』も、『ヘブ […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準②

  • 2021.03.19

I 創造主が万物の基準である(その1) 聖書は、「初めに神は天と地を創造された」(創世記1章1節)で始まります。 これは、この宇宙には創造主なる神がおられること、その神が天地万物を所有し、支配されるのだという宣言です。当然、創造主にすべての主権があります。「創造主なる神が万物の基準」なのです。 新約聖書もこう証言しています。「すべてのものが神から発し、神によって成り、神に至るのです」(ローマ11: […]

創造主が万物の基準 vs 人間が万物の基準① はじめに

  • 2021.03.16

何を万物の基準にするか。それによって、世界や歴史に対する考え方、人間についての理解はまったく異なってきます。 聖書は、「創造主が万物の基準である」とします。この土台の上で世界や歴史を綴ります。同時に、聖書は「人間が万物の基準である」という対立する視点についても語っています。この二つは、ものの考え方を二分すると言えます。「創造主が万物の基準である」はヘブライズムの根幹であり、「人間が万物の基準である […]

ステーション24 書記と学者(後半)

  • 2021.01.27

学びの進め方 進め方1 リーダーは、昔のユダヤ人書記の役になり、生徒に何をして生計を立てているのかを話します。「教えるための情報」を使って、仕事の内容について教え、誰のために働いているのかなどを語ります。「ヘブル語って知ってますか」と尋ね、なぜヘブル語が重要なのかを説明します。 主イエスもヘブル語を話されていましたし、また、(旧約)聖書もヘブル語で書かれました。新約聖書は最初アラム語で書かれたとさ […]

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