No.051 創世記12~50章
- 2020.04.17
- 三つのテーマで読む創世記(下)
「キリスト」「神の国」「契約」の三つをテーマにして、創世記12章以降を読んでいきます。これは、講壇から語った説教ではありません。また、聖書研究でも、ましてや注解でもありません。ただ、三つのテーマを軸にして展開していく創世記を語るだけのことです。
聖書の第一のテーマはキリストです。キリスト自身がこう断言しておられます。「あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思うので、聖書を調べています。その聖書が、わたしについて証言しているのです」(ヨハ5:39)。そもそも、天地万物は御子キリストによって、キリストのために造られたのです(コロ1:16)。
そのキリストの宣教のテーマは、最初から一貫して「神の国」でした(マル1:15から使徒1章まで)。また、使徒たちの残した福音書や書簡のテーマも「キリスト」と「神の国」です。「神の国」は歴史のゴールなのです。
そして、「キリスト」と「神の国」の歴史は、いくつかの「契約」を軸として展開していきます。創世記には、天地創造の契約、アダム契約、アブラハム契約が出てきます。
創造主なる神はこの三つをテーマにして、歴史を動かしていかれます。そして、御子キリストが「契約」を成就し、「神の国」(新しい天と地)を完成されます。
さて、創世記は1-11章と12-50章に分けられます。しかし、聖書全体が創世記1-11章と創世記12章から黙示録までの二つに分けられると言っていいでしょう。1章から11章までは、いわば聖書全体の序章です。12章から、いよいよ聖書の本編が始まります。
12章で、主はアブラハムと「世界の諸民族はアブラハムとその子孫によって祝福される」という永遠で無条件の契約を結ばれます。このアブラハム契約によって、主の民イスラエル民族が始まります。この契約を中心軸として、神の国の歴史が展開していきます。この契約によって、イスラエルからイエス・キリストがお生まれになります。非イスラエル人も、キリストを信じることでこの契約に入れられ、信仰によるアブラハムの子孫となります。そして、この契約がキリストによって完全成就されるのは、黙示録の預言においてなのです。
実は、聖書は旧約、新約というように分断されているのではなく、アブラハム契約によって一つの書です。それゆえ、アブラハム契約を理解することは、聖書全体の流れを把握する上で、とても重要なのです。
では、12章を読んでまいります。
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