No.054 アブラハム契約② 祝福する者は祝福される
- 2020.04.27
- 三つのテーマで読む創世記(下)
創世記12章3節
あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。
主は、アブラハム(の子孫)を大いなる国民にすると約束されました。そして、その国民であるイスラエルを祝福する者(異邦人)は祝福され、呪う者は呪われると宣告されました。
祝福とは、主なる神とつながることです。唯一真の神を知り、神の国に入れられ、神の愛と慈しみの支配を受け、永遠のいのちの喜びを味わうことです。
その具体的な表れとして、主との平和、和解、罪の縛りからの解放、幸いな結婚と家庭、友人、健康、癒し、学業や仕事の成功、経済的な安定などが挙げられましょう。しかし、ただ主から良きものを受けることだけが祝福ではありません。むしろ、主から与えられた立場や賜物で、神の国の働きに参加し、自分の役割を果たし、主の栄光を現す喜びこそが祝福です。
ですから、たとえ苦難、迫害、失敗、病気、孤独などを体験しても、その逆境の中で主の愛と力を受け、主が生きておられることを証しできるなら、その喜びも祝福です。
それゆえ、「アブラハムを祝福する」とは、アブラハムの子孫であるイスラエル(ユダヤ)人の救いのために祈り、貢献することです。それは具体的には、彼らがアブラハムの神に立ち返り、ナザレのイエスを知ること、主がイスラエルを迫害や窮地から助け出してくださること、エルサレムの平和とイスラエルの守りがあること、彼らが不変の「神の賜物と召命」(ロマ11:29)を回復すること、などを祈るのです。また、イスラエルは永遠に主の民であることを弁証し、経済的、物理的にサポートすることも、イスラエルを祝福することです。
聖書の歴史においては、イスラエルの民をそのように祝福して、自分も祝福された人に、ラハブ、ルツ、クロス王、ローマの百人隊長などがいます。
一方、イスラエルを呪うとは、イスラエル(ユダヤ人)を抹殺することです。たとえば主の民ユダヤ人の存在を否定すること、アブラハム契約からユダヤ人を除外すること、実際にユダヤ人を殺すこと、それを黙認、賛同すること、偏った視点でイスラエルを非難すること、などです。残念ながら、今日、こうした反ユダヤ主義は世界に広がっています。
注意すべきは、イスラエルが正しいから祝福するというのではありません。もしそれが祝福の基準であるなら、どの国も祝福されません。どの民族もスネに傷ある身です。特に妬み、偏見、憎悪でイスラエルを攻撃する人は、イスラエルを呪っていることになります。
イスラエルは主の民です。それは永遠に変わりません。そして、絶対者である主が「イスラエルを祝福する者は祝福される」と定められたのです。私は、この主の定めゆえに、イスラエルを祝福します。そして、日本が祝福されることを強く願って、イスラエルを祝福します。自民族、自国、自分や家族の祝福のために、イスラエルを祝福することは、決して自己中心でも、恥ずべきことでもありません。それは主が願われることです。もともとクリスチャンはみな、神の国の祝福を受けるためにイエスを信じたのではありませんか。
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