祝福されたサラの生涯
- 2020.07.27
- 三つのテーマで読む創世記(下)
創世記23章1節、17章16節
わたしは彼女を祝福しよう。確かに、彼女によって、あなたにひとりの男の子を与えよう。わたしは彼女を祝福する。彼女は国々の母となり、国々の民の王たちが、彼女から出て来る。(17:16)
サラは、65歳で夫と共にカナンに移住し、90歳でイサクを産み、127歳で死にました。夫についていくしかない生涯でしたが、それを神からの祝福として生きた人生でもありました。
サラは、夫と共に「祝福の契約」を結び、諸国民の祝福の源となった女性です。夫の陰に隠れた存在でしたが、祝福をしっかりと受け取りました。アブラハムの跡継ぎは、サラが産むイサクでなければなりませんでした。アブラハムが諸国民の父なら、サラは諸国民の母です。アブラハムが信仰の父なら、サラは信仰の母です。
アブラハムは信仰によって義と認められましたが、それは夫婦の信仰でもあり、サラもまた信仰によって義とされたと言えます。アブラハムのしたことは彼女のしたことです。
サラは、耐え忍んだ人としても幸いでした(ヤコブ5:11)。二度までも夫の妹にされ、
異教の王たちのハーレムに入れられました(20:12)。サラは二度とも黙して耐え忍びました。夫を責める場面はないし、頼まれた通り「これは私の兄です」と言っています(20:5)。その結果、わが身をもって夫を生き延びさせただけでなく、自らも主の介入で操が守られる体験をしました。しかも、夫に多くの財産を得させ、祝福の人にもなったのです。こうしたサラの忍耐力は、イサクに受け継がれたようです。
また、子を与えると約束されてからイサクが生まれるまで、25年を待ちました。確かに75歳の時、女奴隷ハガルを夫に与えてイシュマエルを儲けてしまいましたし、「来年、子が産まれる」と予告されたときには、心の中で笑いもしました。しかし、へブル書は「信仰によって、サラも、すでにその年を過ぎた身であるのに、子を宿す力を与えられました。彼女は約束してくださった方を真実な方と考えたからです」(11:11)と証言しています。サラは主に信頼することを止めず、耐え通して、神の御心を成し遂げた、と認められているのです。
さらに、「イサクをいけにえに捧げる」(22章)ことにおいても夫を信頼し、夫を信頼することで、神への従順を示しました。モリヤから帰って来る夫と息子を待ったサラは、夫の倍以上の時間を耐え忍んだことになります。
最終的に、サラは忍耐によって大切なものを得こそすれ、何一つ失ってはいません。
夫に従うだけの人生のようですが、神はそのサラの人生を通しても、ご自身の計画を進めておられます。サラは自分では選ぶことも変えることもできない境遇にあっても、サラの仕方で主に仕え、神の国の働きに参加したのです。
-
前の記事
モリヤの山は神の国の雛形になる 2020.07.24
-
次の記事
自分の墓が王国の礎石となった女性 2020.07.31