ステーション18 アメリカ移住(下)

ステーション18 アメリカ移住(下)

写真についての説明(続き)

(ホロコーストを生き延びた若者が、アメリカへ移住するために乗っている船の上で、自分の家族を紹介するという設定です。)

・写真11:あなたの従兄弟が、共同住宅の廊下にある共同の水道から、水を汲んでいるところです。

・写真12:もうひとりの従兄弟が、おばの洗濯槽でお風呂に入っているところです。

・写真13:あなたの従兄弟と友人たちが、非常階段で遊んでいるところです。一つのベッドに3、4人の子供が押し込まれ、一部屋に5、6人が寝ます。夏のアパートがとても蒸し暑く、家族は涼しい風に当たるために道に出たり、屋根の上に昇ったりしていました。この写真では、従兄弟が非常階段をたまり場にしています。

・写真14:近所の子供たちが喧嘩しています。

・写真15:従兄弟の学校で撮った写真です。全員が移民の子供たちで、新しい言語を話し、読み、書くことを学ばなければなりません。「この学校はとても難しくて居心地が悪いけれど、教育を受けないと移民がアメリカで成功するのは難しいんだよ」と、従兄弟はあなたに話してくれました。

・写真16:学校の看護師が、従兄弟の学校を回診しているところです。このような回診は多くの場合、移民の子が受けられる唯一の医療ケアでした。

・写真17:従兄弟のひとりが職業訓練を受けている様子です。彼は、印刷工になることに決めました。

・写真18:もうひとりの従姉妹が女性向けの料理教室にいます。

・写真19:従兄弟ダニエルが、学校で寝ています。ほとんど生徒がそうであるように、彼も仕事を持ち、時に一日12時間も働いていました。起きているのが大変だったのです。

・写真20:従兄弟のひとりが図書館にいます。従兄弟たちが「アメリカナイズされる(アメリカの人のようになる)」のは、おばやおじよりもずっと簡単でした。しかし、子供たちが故郷での生き方を捨てて、アメリカの若者になってしまうのは、おばやおじには悲しいことでした。その一方で、あらゆる意味でアメリカ人になって、新しい地で成功して欲しい、とも願っていたのです。

・写真21:従姉妹ハダサが家族を支えるため、同年代の子供たちと一緒にクリーニング屋で働いています。あなたに宛てた手紙で、週7日の仕事はとてもきつく、しかも一日の労働時間は非常に長いと書いていました。それでも、アメリカ人になれるなら、この辛い労働に耐える価値はあると信じていたのです。

・写真22:おじの友人たちが、お金を稼ぐためにアパートで煙草を作っている様子です。

・写真23:移民の子供がお金を稼ぐもうひとつの方法は、新聞を売ることでした。新聞は朝の3時に受け取らねばならなかったため、これも辛い仕事でした。

・写真24:近所の子供たちが、薪を売ってお金を稼いでいます。

・写真25:若い男性がウェスタン・ユニオンの電報配達の仕事をしています。他の子供たちは配達夫や靴磨きとして働いています。

・写真26:子供たちの遊び時間です。従兄弟たちは通路で野球ゲームを楽しんでいます。

・写真27:従姉妹がまだ赤ちゃんの妹を抱っこしています。移民家族は子供だくさんで、年上の女の子は多くの時間、妹や弟の世話をして過ごしました。

・写真28:手回しオルガン男です。従兄弟がこの奇妙なアメリカの大道芸人について教えてくれました。取っ手を回すと音楽を奏でる箱を持っています。奇妙なのはそれだけではありません。男の連れているサルが、コートを着てハットをかぶり、箱から音楽が流れてくると踊るのです。従兄弟は本当だと言っていました。

・写真29:従兄弟がアイス売りからアイスクリームを買っているところです。台所にある大きな木製の箱の中には大きな氷の塊が入っていて、食べ物を中に入れておけば数日は新鮮に保てるのです。アメリカってすごい、と思いました。

・写真30:「July 4thジュライフォース」と呼ばれる特別なお祝いの日を過ごしている従兄弟たちです。これはアメリカで大変重要な祝日(独立記念日)で、アメリカ国旗で覆われた四輪荷車に乗って喜び祝い、そうやって自分たちがアメリカ人だということを皆に見せるんだということを、従兄弟から聞きました。

・写真31:従兄弟から最後に受け取った写真です。アメリカに行ってからみなずいぶん成長しています。何人かはアメリカ生まれです。彼らはたくさんの友だちを作ったようです。仕事は非常に大変ですが、学校やシナゴーグに行き、新天地でとても幸せに暮らしています。あなたも、アメリカ人になりたいと心から願っています。

 

家族の手紙とアルバム

「写真についての説明」の中で、従兄弟からもらった手紙の内容を、神に書き写して手紙を作ります。近しい人に送るような感じで書きます。手紙は第二次世界大戦中ずっと持っていたという設定ですので、木炭や土、灰などで汚してください。破れ目を作ったり角を焼いたりすれば、さらに古い感じにできます。何か所かに少量の水を垂らしても良いでしょう。手紙は何度も読んだかのように、ぼろぼろににしてください。

アルバムを作ります。写真のいくつか、あるいは全部をコピーして、1枚ずつ切り取って台紙に貼ります。画用紙で表紙を作り、穴をあけてリボンや紐を通します。手紙のときに使ったのと同じような方法でアルバムを古い感じにしてください。