ステーション20 世の光

ステーション20 世の光

教えるための情報

イエスは、イスラエルに生まれた若いユダヤ人ラビでした。生ける神の子であり、人となって地上に来られ、人の罪の身代わりとなって十字架に架かられました。キリスト教会はこの十字架を土台としています。信じる者は、イエスを通して罪の赦しと永遠のいのちを受け取るのです。そして、イエスが再び帰って来られ、新しい天と地をもたらされる日を、待ち望みます。

イエスは、最初に地上に来られたとき、「神の国」をもたらされました。神の国は今、イエスと共にここにあると教えられました。神の国は、イエスを信じる者たちのただ中にあるというのです。クリスチャンは、イエスといのちでつながり、イエスと共に生きる共同体に入れられます。そこは調和と兄弟愛が満ちています。聖霊がクリスチャンに内住され、新しい生き方へと導かれます。そこには、謙遜と一致があります。神の国は未来のものではなく、今ここに来ているのです。死と復活のときまで待たなくていいのです。

メシア(キリスト)なるイエスは、王、祭司、預言者として活動されます。イエスは初臨のとき神の国を地にもたらし、将来再臨されるときには千年王国時代、そして最終的に、新しい天と地をもたらされます。イエスが地上におられたときに通られた苦しみと死は、人々の罪のなだめの供え物となり、人々を神と和解させました。イエスは預言者として、またトーラーの教師として、人の間に住まわれました。そして、戦う方、さばき主、王として、再び来られるのです。

メシアという概念は、ユダヤ教に深く根差しています。ヘブル語の「ハマシアハ」(メシア)は、「油注がれた者」を意味します。ダビデ王が治めていた時代、人々は、ダビデがイスラエルの国を導く王として選ばれ、終わりの時にその地位をダビデの子孫に与えるのだと、信じていました。ところが、ソロモンの死をもってダビデ王国が崩壊すると、人々は、将来いつかダビデ王国が回復されるという望みを抱きました。旧約聖書にはメシアについて多くのことが預言されています。特にアモス書、イザヤ書、エゼキエル書、詩篇には、イスラエルを回復するメシアが、ダビデの家から起こされると書かれた箇所があります。

ローマ帝国の圧政下にあったイエスの時代、イスラエルの人々はメシアに強く関心を寄せていました。異教徒のくびきを解き放つ者を送ってくださるように、神に祈っていたからです。同時に、多くの偽メシアが現れ、自分がダビデの家から出たと主張し、必死に救いを求めている人々を誤った道へと引き込みました。当時のラビは、メシアが圧政者から人々を贖い出し、国を回復させ、王として治めるだろうと教えていました。預言者の語ったような祝福をイスラエルに与え、離散の民を土地に戻し、イスラエルのすべてを神と和解させ、平和に満ちた至福の時代をもたらす存在、それがメシアです。預言者たちは、メシアがベツレヘムで生まれると預言し、世界の創造のときから、いや、その以前から存在していた方だと教えました。

メシアは「苦難を担う者」という考え方がユダヤ人の間に広がったのは、3世紀になってからでした。この立場は、王や戦う者としてのメシアにはあまり焦点を当てません。聖書は、メシアの苦しみが人々の罪のためのなだめとなり、魂を生き返らせ、神との永遠の関係に入れると語ります。また、メシアは不死であると教える人々もいました。

今日のユダヤ教も、メシアについては様々な考え方をしています。超正統派のユダヤ人は、初期のラビの教えを信じ、離散の民がイスラエルに戻されることがメシア預言の成就であると信じています。改革派は、「メシアの到来」は「贖い主の到来」ではなく、「平和と調和の時代の到来」のことだと考えています。

メシアの到来についても、クリスチャンはユダヤ人に大いに感謝すべきです。ユダヤ人は、唯一神信仰、契約、預言者の存在、神のことばを伝えてくれましたが、私たちのメシアであるイエスも、ダビデの子孫ユダヤ人から誕生されたのです。

学びの進め方

リーダーは、子供たちがオイルランプを作る手助けをし、「世の光」となることの意味を話します。アシスタントは、子供たちが作業に必要なものをすべて用意しているか確認します。

初めに、ピンポン玉大の粘土を手に取り、手のひらで平たく延ばします。次に、親指で油を入れるくぼみを作ります。テーブルに、様々な形のオイルランプをモデルとして置き、生徒に見せます。子供たちが自分の満足いくものを作ったら、つまようじで模様やイニシャルを描いて仕上げます。

制作中に、ローマによるイスラエル侵略の歴史、エルサレム神殿破壊について簡単に語ります。この出来事は、ユダヤ人とクリスチャンの双方にとって大きな苦難でした。ユダヤ教のすべての儀式が禁じられ、エルサレム再建後も、ユダヤ人がそこに入ることが許されませんでした。ローマとの戦争の間、何万ものユダヤ人が虐殺され、奴隷とされました。イスラエルの地に残った人もいましたが、多くは国外へと離散して行ったのです。

クリスチャンは、イエスをメシア、神の油注がれた方、「世の光」であると信じています。主イエスは私たちの人生の闇から救い出し、神の愛と光をもたらしてくださいました。

しかし子供たちは、メシア信仰がユダヤ教に深く根差したものだということを知っているでしょうか。ユダヤ人の間では、メシアの到来は確かなこととして語られていました。メシアは、ダビデの子孫であり、神に選ばれ、神から遣わされた方です。その方がイスラエルを支配し、ユダヤ人を世界の隅々から集め、イスラエルを回復し、すべての約束を成就し、地に平和をもたらされます。今日も、ユダヤ人はメシアの到来を信じており、正統派の中には、メシアの到来は近いと信じるグループもあります。

ユダヤ人は時に、偽メシアを信じてしまい、社会的、経済的困窮に陥った時代もありました。異教徒に激しく迫害されてきたので、メシアが来て自分たちを救済してくれる日を熱望していたのです。1世紀のあるラビは、登場したメシアが本物か実証されない場合、こうせよと教えていました。「人々が、メシアが到来したと告げるなら、あなたの手に苗木を持っていたら、その苗木をまず植えてから、出て行ってメシアを迎えなさい」。

メシアの預言は、ユダヤ教の中心的教えです。だから、主イエスに従った人々は、救いをたやすく理解できたのです。神は主イエスを世の光として送られ、罪と暗闇の中で苦しむ人々を解放し、光の中に移してくださいました。

オイルランプの作製が終わったら、それを乾燥させます。乾燥したら、子供たちに持って帰らせます。

雰囲気づくり

オイルランプを作る場所を準備します。テーブルの上にビニールか新聞を広げ、子供の座る椅子を準備します。それぞれのテーブルに、オイルランプに模様をつけるためのつまようじを置きます。粘土を湿らせるために、水の入った容器も用意します。また片づけ用の濡れ雑巾とペーパータオルも準備します。粘土は、乾燥して固まるようなものであれば何でもOKです。

衣装

リラックスした現代の服がいいですね。