ステーション21 カペナウム(後半)
- 2020.12.30
- アブラハムの子供たち
学びの進め方
このステーションでは、主イエスとそれ以前の時代に、ユダヤ人が楽しんでいたゲームを紹介します。
生徒たちを床に座らせたら、「私はカペナウムで発掘作業をしている考古学者です」と自己紹介し、発掘作業について話します。発掘によって何が明らかになったか、主イエスにとってこの小さな村がどれほど重要であるかを語ります。次いで、神殿での礼拝とシナゴーグでの活動の違いを説明します。初代教会の信者は、シナゴーグで育ったユダヤ人が大半だったことを教えます。また、シナゴーグと現代の教会は、何が似ていて何が違うか、子供たち自身に考えさせてください。
生徒らに、イエス様はおそらく、男女が通えるシナゴーグの学校に通っていたと話し、「イエス様は、ゲームをしたと思いますか?」と質問してみてください。カペナウムのシナゴーグの遺跡で、ゲームボードが彫られた床が発見されています。それは人気のあったアドラスというゲームで、イエスが少年だったときに遊んだ可能性が一番高いゲームです。
この章の最後に、アドラスの遊び方が書いてあります。アジュイムという別のゲームの遊び方も載せました。ゲームボードのページをコピーして配ってください。古代、人気のあったゲームは、他にもたくさんあります。1世紀の子供たちは、かけっこ、綱引き、石けり、皮のボールを使ったゲームも楽しんでいました。大人も加わって楽しむゲームには、矢を使った的当てなど、腕を競うゲームや、レスリングなどがあります。ボードゲームや、チェスに似たゲームもあり、サイコロを使うゲームも数々ありました。
雰囲気づくり
大小の段ボール箱をいくつか使って、カペナウムの発掘現場を作ります。箱を開き、スポンジで薄い茶色や黒の絵の具をつけます。次に、黒のマーカーか絵の具で、建物の壁石を描きます。乾いたら、この写真のような感じで、白か明るい灰色を使って柱を描き加えます。小さい段ボール箱は建造物のブロックになります。大きめの袋に新聞紙を詰め込んでテープで閉じて茶色く塗れば岩になります。シャベル、熊手、ピック、小さなほうき、園芸用の道具などを発掘場所に置けば、雰囲気が出せます。
マスキングテープを使って、床にゲームボードを「彫り」ます。人数が多ければ、複数作ります。ゲーム用の小さな白い石と黒い石を同数、たくさん準備します。アジュイムをするなら、杏か桃の乾いた種を多数集めます。種が足りなければ、小石でも大丈夫です。
衣装
ズボン、Tシャツかポロシャツ、つば付きの帽子、運動靴やハイキングブーツ姿に、サングラスをかけ、クリップボードを持てば、考古学者らしい雰囲気が出せます。
アドラスというゲームをしましょう
遊び方1:ボード1を使用
アドラスは、二人でするゲームです。それぞれが3つずつ石を持ちます。毎回、1つの石を、交点の上に置きます。どの方向でも良いので、相手にブロックされることなく3つの石を1列に並べられた人が勝ちです。(三目並べに似ています)
遊び方2:ボード1を使用
それぞれのプレーヤーが4つずつ石を持ちます。ゲームのゴールは、最初に3つの石を一列に並べて、三目並べのように「ミル」を作ることです。両方のプレーヤーが線の交点に石を置いて始めます。自分の順番が来たら、石を1つだけ、線に沿って、空いている交点に置きます。自分の石3つを一列に並べることができれば、勝ちです。
遊び方3:ボード2を使用
この遊び方で使うボードは単純に見えますが、ボードゲームの中で最も展開の速いゲームです。各プレーヤーは4つの石を持ちます。順番が回ってきたら、自分の石を交点に置き、ひとりがミルを完成させて勝つまで、続けます。
遊び方4:ボード3を使用
一対一で戦うゲームです。各自6個の石を持ち、交互に1つの石をボードに置きます。目的はミルを作ること、相手をブロックすることです。12個の石をすべてボードに置いたら、自分の石を空いている場所に動かして、ミルを作ることを目指します。新しいミルを作ったら、相手の石を、ミルになっていないところから、一つ取ることができます。ただし、ミルになっていない石がなければ、相手のミルから石を取ることができます。取った石は、二度とボード上に戻すことはできません。ミルは、自分の好きな時に、交点から石を取り除くことでミルを壊し、元の場所に戻すことで再び作ることができます。ミルを作るたびに、ミルを作った人は相手の石をひとつ取ることができます。
どちらかの持ち石が2つだけになったり、盤上の石が全部ブロックされて動けなくなったりしたら、ゲームオーバーになります。
遊び方5:ボード4を使用
各自9つの石を持ち、1回につき1つの石を動かします。2つの線が交差している場所の中で空いている所に自分の石を置き、自分の石3つを並べてミルを作ることを目指します。ミルを作ったら、相手の石をボード上から1つ取り除くことができます。ミルの一部となっている石を取り除くことはできませんが、他に取れる石がなければ、ミルから取ることができます。ボード上から出された石は、二度と使うことができません。すべての石が並べられたら(9回番が来たら、そうなります)。互いに、石を駆け引きしながら新しいミルを作ることを目指します。順番がきたら、ボード上の自分の石を一つ、別の交点に移せます。交点から石を取り除けたり元の場所に戻したりして、何度でもミルを壊したり作ったりすることができます。ミルを再び作ったり新しいミルを作ったりしたら、相手の石を取り除けます。どちらかの石が2個だけになったり、どちらかの石が相手の石にすべてブロックされて動けなくなったりしたら、終了です。
アジュイムというゲームをしましょう
イスラエルの土壌と気候は、オレンジ、レモン、杏などの果樹栽培に最適です。子供たちは、今も昔も、杏の種を取っておいてゲームに使います。種は、アジュイムと呼ばれます。(発音は、ア・ジュー・イームという感じです)
スクエア・ゲーム
(プレーヤーが3人以上必要です)
各プレーヤーは、杏の種が同じ数ずつ入った袋を持ちます。ひとりがリーダーになり、リーダーは4つの種を正方形になるように置きます。1辺30cmくらいです。
各自、四角形から1mくらい離れた所に立ち、種を四角形の中に入るよう投げます。
種が四角形の中に投げ入れた人は、すべての種を取り、新しいリーダーになります。外してしまったら、リーダーがその落ちた種を取ります。
ゲームは決められた時間で終わらせ、最も多くの種を取った人が勝ちです。あるいは、ひとりがすべての種を使い切ってしまったら、ゲームオーバーになります。
アプリコット・トス(杏投げ)
各プレーヤーは、最低12個の杏の種が入った袋を持ちます。
はじめに、12個の杏の種が入った壺かかごを置き、プレーヤーは種を壺に向かって交代で投げます。年齢や腕前を考慮し、1mから2mくらいで距離を決めて投げ入れます。
壺に種が入れば、自分の投げた種に加えて、壺の中から3つの種を受け取ります。
壺が空になったらゲームは終わりで、一番多くの種を獲得した人の勝ちです。
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