ステーション24 書記と学者(後半)
- 2021.01.27
- アブラハムの子供たち
学びの進め方
進め方1
リーダーは、昔のユダヤ人書記の役になり、生徒に何をして生計を立てているのかを話します。「教えるための情報」を使って、仕事の内容について教え、誰のために働いているのかなどを語ります。「ヘブル語って知ってますか」と尋ね、なぜヘブル語が重要なのかを説明します。
主イエスもヘブル語を話されていましたし、また、(旧約)聖書もヘブル語で書かれました。新約聖書は最初アラム語で書かれたとされていましたが、今は、学者の多くが、福音書はもともとヘブル語で書かれたと考えています。
ヘブル語は英語と異なり、アルファベット(アレフベート)が22文字しかなく、母音はありません。ホワイトボードに、英単語を母音なしで書いてみると、どう発音するかわからないことでしょう。
英語の文字は怠け者なので下のラインに座りたがるのですが、元気いっぱいのヘブル語の文字は上のラインからぶら下がりたがります。さらに、ヘブル語は英語とは逆に右から左に読み書きし、ヘブル語の本は後ろから始まります。でも、ヘブル語は決して「反対」なのではありません。最初は、この書き方が普通だったのです。ずっと後世になってから、左から右に書くようになったのです。
さらに、生徒たちに「聖書は普通どこで手に入れるか」と聞き、「書店で買う」と答えたら、驚いてみせます。「情報」のセクションを用いて、トーラーの巻物をどのように作るか、話します。羊皮紙を作ることから始まり、ペンを作り、インクを混ぜることまでしなければなりません。しかし、神の言葉を筆写できるのはこの上ない祝福なのです。御言葉を愛しているので、筆写するときにはどんな間違いもないように注意深く写すのだと、語ります。
生徒たちに、この章の最後に書かれている方法で、ヘブル語を書く練習をさせます。
進め方2
書記の役と、エリエゼル・ベン・イェフダーの役が議論をします。書記は自己紹介をし、どんな仕事をしていて、誰のために働いているかを説明します。次に、エリエゼルが自己紹介します。エリエゼルが、「ヘブル語を復活させるために奮闘しています」と言うと、書記は動転して「死んだ言語を復活させるとは、どういう意味だ」と反問します。さらに「なぜ新しいヘブル語の単語を作り出さなければならないのか」と、生徒たちを巻き込むように、活発な議論を展開します。しかし、議論は楽しく興味深いものにしなければなりません。
次いで、「情報」のセクションを用いて、トーラーの巻物がどのようにして作られるかを説明します。書記にとって、ヘブル語は聖書の言語なので、非常に重要であることを伝えます。一方のエリエゼルは、イスラエルとユダヤ人を愛してはいるが、ヘブル語を聖なる言語として扱うことをそれほど重要視していません。
古典ヘブル語と現代ヘブル語は、非常に似ていることを指摘します。文字は上の線からぶら下がっており、右から左に書かれることなど、共通点がたくさんあります。それから、準備した道具を使って、生徒たちに自分の巻物を作ってもらいます。
雰囲気づくり
非常に明るい感じで、お祝いのような雰囲気の飾り付けをします。たくさんの風船や、薄紙の吹き流し、色紙で作ったダビデの星などを使います。イスラエルの旗の色やタリットの色は青と白なので、飾り付けも青と白が主要色になるようにします。イスラエルやヘブル語が映った写真やポスターがあれば貼り出します。「情報」のセクションにあるアレフベートを拡大コピーして、飾り付けに使うこともできます。
参加者の人数に合わせてテーブルと椅子を準備します。インクがこぼれたときのために、テーブルは新聞紙で覆い、ウェットティッシュも手の届くところに置いておきます。
何も書いていない巻物、ペン、インクを、生徒に渡し、ヘブル語を書くときに使う単語カードも各テーブルに置きます。
衣装
進め方1
リーダーとアシスタントは、聖書時代の典型的な服を着て、頭にかぶり物をし、足はサンダルか裸足という恰好になります。
進め方2
書記の役は、聖書時代の典型的な服を身に着け、頭にはかぶり物、足はサンダルを履くか裸足です。エリエゼル・ベン・イェフダーの役は、黒のズボンに黒のジャケットです。できれば少し古めでほつれのあるものにします。白の襟なしシャツに、可能であれば、メタルフレームの眼鏡をかけます。足はすり減った黒の革靴が最適です。運動靴はいけません。
巻物、ペン、その他の準備
巻物
22cm×28cm(レターサイズ)の淡い黄色の紙、あるいは、カリグラフィーに使う模造羊皮紙を準備します。1枚を半分に切って、22cm×14cmにします。また、太さ約1cmの円柱形の木材を用意し、15cmずつに切ります。巻物1枚につき、15cmの木材2本を準備します。それぞれの巻物の両端に木材を貼り付け、巻物を巻いて閉じられるようにします。1つにつき30cmのリボンを1本準備し、巻物のインクが乾いたら巻いてリボンで結びます。
ペン
羽ペンを使って巻物に文字を書きたいなら、ネットショップから購入できます。ネットショップで羽を買って、次の手順でペンを作ることもできます。外で拾った羽は使うのは危険です。鳥はウイルスを運ぶからです。
材料
- 小さなカップか、電子レンジにかけても大丈夫な容器
- 水
- カッティングボード
- カッターナイフか鋭いハサミ
- つまようじ
1.羽の「元」に当たる部分を下に向けて、容器(カップか、電子レンジにかけても大丈夫な容器)に入れ、持ち手の部分が浸るくらいに水を注ぎます。そして、沸騰するまでレンジにかけてください。
2.容器を電子レンジから出します。容器が熱くなっているので要注意。
3.水が完全に冷えるまで、羽は容器に入れたままにし、冷えたら、水気を切って、カッティングボードの上に横にして置きます。
4.カッターで羽のない羽軸の右側から下に向けて6mmくらいを、先が尖(とが)るように切り落します。(尖った部分ができるようにハサミで切り落してもOKです)
5.切り口を自分のほうに向け、カッターで1.5mmくらいの切り込みを入れます。これはインクがそこに溜まるようにするためです。
6.羽軸が薄膜で覆われている場合は、インクがちゃんと流れるように、その膜を取り除きます。羽軸を水に浸けたものを電子レンジにかければ、その膜は柔らかくなるので、つまようじを使って羽軸の中から膜を取り除きます。
羽ペンを準備することができないなら、黒か茶色のマーカーを使ってもらいます。
インク
インクは黒か紺色にします。
単語カード
「情報」のセクションを利用し、生徒に単語カードを作って渡します。カードは切り分けて、各テーブルに不足がないように準備します。
-
前の記事
ステーション24 書記と学者(前半) 2021.01.20
-
次の記事
記事がありません