神の国の暮らし 挨拶⑤

神の国の暮らし 挨拶⑤

「神が造られた物はみな良い物で、感謝して受けるとき、捨てるべき物は何一つありません」(Ⅰテモ 4:4)

「ありがとう」は、相手の存在や行いを喜んでいることの表現であり、その人を高く評価する言葉です。「ありがとう」のひとことが、どれほど人を励ますことでしょう。「ありがとう」を言われた人は、もっと親切にしたい、正しい良い行いをしたいと思うでしょう。

「ありがとう」には、人の心を変える力もあります。 毎夜遅い時間に、悪い仲間のところに出かけていく高校生の息子に、母親は説教したり、「もう行かないで」と嘆願したりしていました。でも、あるときから「いってらっしゃい。気をつけてね」と送り出すようにしました。そうして何日目かの夜、「帰りにコンビニで朝食のパンを買って来て」とお金を渡しました。翌朝、無言で帰宅しパンとおつりをテーブルに置く息子に「ありがとう、助かったわ」と言いました。この小さな事への感謝のひとことが、息子の心の向きを変えることになりました。やがて息子の方から「何か買ってこようか」と聞くようになり、そうするうちに学校に戻って行ったのです。

「神が造られた物はみな良い物で、感謝して受けるとき、捨てるべき物は何一つありません」(Ⅰテモ 4:4)。そう信じるなら、それを言葉に表しましょう。

世の中には「ありがとう」をほとんど言ってもらえない人たちがいます。その人たちには「ありがとう」のひとことがとても新鮮に、そして重く響くことがあるのです。小さな善意や親切を探し出してでも、「ありがとう」の言葉を発してみてください。「すみません」で代用しないことです。「ありがとう」です。

「ありがとう」が神の国へといざないます。