No.003 あなたの創造者を覚えよ
- 2019.11.25
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記1章1節
初めに、神が天と地を創造した。
神が天地宇宙を創造された。これが聖書の第一声です。この宣言が聖書全体の土台です。
すべては始まりで決まります。どのようにして天地宇宙は始まったのか。誰がこの世界を始めたのか。それによって、この世界がどんな世界になるかが決まります。創世記1章1節は、「万物の基準は創造主である神にある」という宣言です。
先述したように、別段、宇宙は存在しなくてもよかったのです。永遠に何も無いままであったとしても問題ありませんでした。でも、宇宙は始まりました。初めに、神がこの宇宙を始められたのです。それゆえ、神が宇宙世界のすべての物に意味と目的を定め、動かされます。創世記1章1節は、唯一なる神、全能なる神がこの世界を創造し、愛と慈しみで世界を支配されるのだ、という宣言なのです。
この世界は、エネルギーが偶然(無目的)に物質化して生じたのではないし、原子と原子の偶然の結合で出来上がったのでもないし、物質と物質の偶然のぶつかり合いで、無目的に運動しているのでもありません。また、偶然に生命が生じ、偶然に消滅していく虚無の世界でもないのです。すべては神の全能の知恵で、一つの目的をもって創造されました。そして、神が天地万物を所有しておられます。
今、あなたの部屋を見渡して、意味も目的もなく偶然に置かれている物が一つでもありますか。ないはずです。神が創造された世界もそうです。すべてのものが目的と役割をもって置かれています。私たち人間もそうです。無意味なものは何一つありません。
それゆえ『伝道者(コヘレト)』は告げます。「あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ」(12:1)と。あなたには創造者がいます。創造者があなたの「飼い主」です。創造者を知らず、物質と物質の無目的なぶつかり合いの世界に生きるなら、自分の存在意味はいつまでもわかりません。「空の空。すべては空」(1:2)となります。自分の造り主を覚えることで、あなたは初めて生きる意味と目的を知るのです。
現代のすべての問題の根源、それは自分の創造者を知らないことです。
あなたの一日、一週間、一年、一生涯の生き方を決めるのは何(誰)ですか。あなたの願いや欲望や都合ですか。それとも、社会のシステムやこの時代の風潮ですか。いいえ。世界を創造し、あなたを造られた神です。一日の始まりに神を置くだけで、あなたの人生は変わっていきます。この「最初のボタン」をかけ間違えてはなりません。最初を間違えれば、どんなにがんばっても最後までチグハグになります。最初が正しければ、あとは自から「正しい穴」に収まっていくのです。
実は、創世記1章1節は、「神の国」の始まりの宣言でもあります。神の国では、神がすべてを支配し、歴史をつかさどられます。歴史は神の国から始まり、神の国の完成へと向かいます。私たちはその神の国に入れられ、神の栄光の計画のために用いられるのです。神の国から離れたら、私たち人間は生きる目的を失います。神の国の働きに参加することが、私たちの生きる意味です。そして、神の役に立つことが、私たちの存在価値です。
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