No.005 ことばと水と光で生きる
- 2019.11.29
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記1章3節
神は仰せられた。「光があれ。」すると光があった。
創造の初め、まず「大水」があり、そして闇が深淵の表にありました。その闇の世界で、神が次に造られたのは光でした。この光が闇の世界を一変させます。
まず、ここで注目すべきは、神が「光よ。あれ」のひとことで、闇の中に光を存在させられたことです。創造の二日目からも、ことばによる創造が続きます。
神の国とは、「神のことば」による創造と支配です。神はことばですべてを造り、支配し、動かされます。ヨハネの福音書は冒頭で、キリストについてこう証言しています。「初めに、ことばがあった。ことばは神とともにあった。ことばは神であった。……すべてのものは、この方によって造られた……」(1:1-3)。つまり、キリスト自身が神のことばであり、創造者であり、神の国の主、支配者なのです。
神が「水」の後に、「光」を造られたことは、非常に意味深いことです。神は光によって、見えない世界を見える世界に、いのちのない世界をいのちの世界に、冷たい世界を暖かい世界に、変えられました。三日目以降、生き物が造られますが、それに先立ち、水と光によって生命環境が整えられたのです。
すべての生き物は水と光によって育まれます。植物は光合成で、光エネルギーを栄養分(有機物)として蓄え、動物は植物を食べて肉を造ります。また、植物は光合成によって二酸化炭素と水で酸素を放出します。その酸素で生き物はいのちを保ちます。つまり、すべての生き物は水を飲み、光を食べて生きているのです。
ところで、ヨハネはキリストについて、「この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった」(1:4)と証言し、そして「生ける水」を持つ方(4:11、7:38)として紹介しています。ヨハネは、いのちの源はキリストの光と「生ける水」である、人はキリストの光と水で生きるのだ、と教えているのです。
神は、すべてのものが「ことば」と「光」と「水」で生きる世界を創造されました。神の国とは、「ことば」「光」「水」が支配し、力を生み出し、いのちを育むところです。そして、私たちが神の国で暮らすとは、「神のことば」に従い、「光」を食べ、「生ける水」を飲むことです。それはとりもなおさず、キリストの恵みに養われることです。
神は「光があれ」で、「恵みの世界」を造られました。しかし、地球には光はありません。人は大いなる光を造れません。地球外から来る光に照らされて、地球は豊かな生命の星になっています。キリストも外から光として来られ、私たちを照らしてくださいました。私たちはその光の中に生かされています。神の国とは、キリストの恵みの世界です。
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