No.006 天地創造の契約
- 2019.12.02
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記1章14、15節
神は仰せられた。「光る物が天の大空にあって、昼と夜とを区別せよ。しるしのため、季節のため、日のため、年のためにあれ。 また天の大空で光る物となり、地上を照らせ。」そのようになった。
聖書の神は、契約の神です。父なる神、子なる神、聖霊なる神は「一つの神」ですが、内なる契約によって一つの計画(神の国の計画)を実行に移されます。それが聖書の神のあり方です。天地万物が、「御子によって造られ、御子のために造られた」(コロ 1:16、使2:33参照)というのは、父、子、聖霊の間の契約によることです。
契約の神は天地万物を創造されると、まず、その天地自然と契約を結ばれました。その契約が自然法則です。神は、二つの「光るもの」によって、昼と夜を区別し、また日、月、季節、年を定めるためのしるしとされました。エレミヤ書では、その契約のことを「昼と結んだわたしの契約と、夜と結んだわたしの契約」「天と地との諸法則」(33:20、25)と呼ばれ、不変の契約だと告げておられます。
自然世界が、神との契約によって運動しているというのは、この宇宙は機械のように動く無味乾燥な世界ではない、ということです。驚きではありませんか。神はただの物質の世界としか思えない宇宙自然とも関係を結ばれ、被造物として慈しんでおられるのです。自然はたんに法則だけで動いているのではなく、意味と目的と秩序と美しさを持ち、豊かに実を結ぶ世界なのです。自然を見て美しいと感じ、心安らぐのも、自然が創造主の完全性と慈しみを宿しているからです。
神は、天地自然との契約に忠実です。創造された自然界を喜び、育み、つながりを保ち続けられます。自然法則が不変なのも、それは自然が創造主から独立して運動しているからではなく、神が自然との契約にどこまでも忠実であられるからです。聖書の神は、宇宙に法則を与え、機械的に動かせて、あとは放置するような「理神論」の神ではないのです。結び合う神、愛の神です。これが契約の神であり、この自然が神の国の自然です。
こうして、創造以後の世界とその歴史は、創造主との契約を軸にして展開することになります。忘れてはなりません。神が自然との契約に忠実であるように、人間との契約にも忠実であることを。自然が契約(法則)どおりに動いているように、これからのち神が人と結ばれる諸契約も不変であり、必ず成就することになります。人間が愚かにも創造主なる神に反抗することがあっても、神はその契約を無効にすることはできません。
私たちの住む世界は、昼と夜が交互に現れ、季節が順番通りに巡ってきます。それは、神の約束は変わらず、必ず成就することを私たちに確信させるためです。
神の国の王キリストは、聖書の約束通り来られたように、また約束通り戻って来られて、約束通り、神の国を完成されます。
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