No.007 秩序ある世界
- 2019.12.04
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記1章20、21節
神は仰せられた。「水には生き物が群がれ。鳥が地の上、天の大空を飛べ。」 神は、海の巨獣と、種類にしたがって、水に群がりうごめくすべての生き物と、種類にしたがって、翼のあるすべての鳥を創造された。神はそれを見て良しとされた。
神は、水豊かで光穏やかな地球環境に、まず植物を造って(11)、光エネルギーを植物体に蓄えさせ、次にそれを食物とする動物を創造して、生き物の楽園とされました。しかも、数えきれないほどの種類の動植物を創造し、それらが互いに調和を保って生きる、多様性豊かな楽園とされたのです。
それは、まさに神の知恵に満ちた創造です。自然界は、実に綿密に計算し尽くされた均衡の上に成り立っています。多種多様な生物相互の関係も絶妙です。そのことは、今日の生物学や生態系の研究も明らかにしているではありませんか。確かに、この世界は人間の罪のために「滅びの束縛」(ロマ8:21)に呻いてはいますが、それでも自然の中に秘められた神の知恵には驚かされ、その麗しさにはハッとさせられるのです。全知全能の神が、創造された生き物を見て、「良しとされた」とおりです。
地球は奇跡の惑星です。お隣の金星は太陽に近いので暑すぎ、火星は遠いので冷たすぎて、生き物が栄える環境にはありません。こうした他の惑星は、地球が奇跡の星であることを際立たせるために存在しているかのようです。
それゆえパウロは、この天地自然を観察すれば、創造者がおられることはもちろん、その創造者がどういう方かも知ることができる、と断言しています。「神の、目に見えない本性、すなわち神の永遠の力と神性は、世界の創造された時からこのかた、被造物によって知られ、はっきりと認められる」(ロマ1:20)というのです。しかも、もしそれを知らないのなら、それはその人の責任であって「弁解の余地はない」とさえ言います。私たちが、自然の豊かさに驚く心と、その崇高さに畏怖する心をもっているなら、この天地自然は全能者によって創造されたことが悟れるはずなのです。
ところで、創造主は地球上の生き物とも契約を結んでおられます。天地自然との契約です。キリストは、動植物について、「天の父が、空の鳥を養い、野の草でさえ美しく装ってくださる」と語っておられます(マタ6:26-30)。神は、動植物を成るがままに放っておかれるのではなく、慈しみを注いでくださるということです。神は、「種類にしたがって」、あらゆる生き物を創造なさいましたが、それぞれの種類の性質や棲息する場所に応じて、必要なものを満たしていてくださるのです。
それゆえ、キリストは私たち人間にこう言われます。「ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか」(30)。人間は本来、神の慈しみを一身に受け、平安に生きることができるのです。それが神の国です。思い煩いは、神の国にふさわしくありません。神の慈しみに感謝し、ほめたたえることが、神との平和を保つ暮らし方です。
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