No.008 神に似た者として生きる
- 2019.12.06
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記1章26、27節
神は仰せられた。「さあ人を造ろう。われわれのかたちとして、われわれに似せて。彼らが、海の魚、空の鳥、家畜、地のすべてのもの、地をはうすべてのものを支配するように。」 神は人をご自身のかたちとして創造された。神のかたちとして彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。
神は人を「神のかたち」として、神に似せて造られました。他の生き物とは異なる、特別なものとされたのです。いったい「人とは何者なのでしょう」(ヨブ7:17、詩8:4)。
第一に、人は、神の霊を受けています。「神は霊ですから」(ヨハ4:24)、神に似せて造られた人も霊的な生き物です。人は霊で神と交わることができます。神と交わることで、自分が何者であり、何のために生きるのかを知るのです。
第二に、人は神の性質を宿しています。作品というのはその制作者の技量、性格、意図を反映しているように、神に造られた人間も、創造者である神の聖さ、愛、義、知性、能力を反映しています。神は聖ですから、人も聖を求める性質があります。神は愛ですから、人も愛することに喜びを感じます。神は義ですから、人も義(正しさ)を喜びます。神は創造する方ですから、人も創造力を有し、創造することを楽しみます。
第三に、人は神を礼拝する生き物です。神に似るものとして、神を愛し、聖い心と義(真実)をもって神を礼拝し、また知性でも神をほめたたえるように造られています。自分の創造者を礼拝することは、自分の存在意味と価値を高めることです。それゆえ、礼拝は喜びです。
第四に、人の存在は、人の創造者である神がおられることを証ししています。人は神の性質を宿しているのですから、目に見えない神をイメージさせる生き物です。人の存在そのものが神の存在証明です。本来は、人を見ていると、神が見えてくるはずなのです。
第五に、人は神のことばを糧にして生きます。人は霊的生き物ですから、パンだけではなく、神のことばで養われます(マタ4:4)。神のことばを食べて生きるなら、人は神と同じ愛、同じ考え方、寛容な心を持つようになります。
最後に、人は神を真似ることで成長します。神とともに生きるとは、神の聖さと愛と義を真似ることにほかなりません。神が愛されるように愛し、考えらえるように考え、行われるように行うのです。そのために、人には「真似をする」という能力が与えられています。他の動物と違い、真似ることができなければ、人は人として成長できないのです。人は、「真似る」ことの重要性にもっと気づくべきだと思います。
キリストは、「わたしから学びなさい」(マタ11:29)と言われました。それは、私の弟子となって、真似なさいという意味でもあります。パウロも、「ですから、愛されている子どもらしく、神にならう者となりなさい」(エペ5:1)と勧めています。
人は真似る対象に似ていきます。獣の真似をしていれば、獣に似てきます。堕落した人の真似をすれば、堕落します。嘘つきの真似をすれば、すでに嘘つきです。しかし、キリストの真似をすれば、キリストに似た者に変えられていきます。神に似せて造られている者として生きること、それが神の国の暮らしです。
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