No.009 神に祝福された役割を果たす
- 2019.12.09
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記1章28節
神は彼らを祝福された。神は彼らに仰せられた。「生めよ。ふえよ。地を満たせ。地を従えよ。海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ。」
神は、海の生物、空の生物を創造して祝福し、次いで陸の生き物を造ってそれを良しとされました(20-23)。そして、「神のかたち」として造られた人も、同じように祝福されました。
神が生き物を祝福されるとは、神の偉大な創造の力と神秘が、自然全体に現れることです。あるいは、神の愛といのちの豊かさが、目に見える形となってあふれるようになることです。人はそのような世界に増え広がり、自然の豊かさを喜び楽しむものとなります。
では、神に似せて造られ祝福された人の役割は、何でしょうか。それは、地を治め、生き物を支配することです。神が、創造主としての所有と支配を放棄されたというのではありません。ご自身が支配される世界(神の国)の支配権を、人に委ねられたのです。つまり、人は神とともに支配するのです。人は神の真似をする生き物ですから、このことにおいても神に倣って、自然を治め、生き物を支配するのです。
神が人を祝福されましたから、同じように人も互いに祝福し合い、そして自然を祝福します。神が創造の知恵と秩序で自然を支配されるように、人も自然が調和と豊かさを保つように支配します。創造の秩序に従い、神の愛と知恵で支配するのであって、けっして人の考えや知恵で支配するのではありません。自然を自分の権威に服させるのではなく、神の権威に服させるのです。人は神の権威の代行者なのであって、人自身が権威者なのではありません。
そして、もう一つ重要な役割があります。それは、この地を他の何ものにも支配させないことです。2章15節に「エデンの園に置き、そこを耕させ、またそこを守らせた」とあります。「守る」という言葉は、敵がいることを前提としています。人に委ねられた支配権を奪われてはならないということです。これらが、神が人に託された役割です。
3章で、人は神に逆らい、エデンの園から追放され、その役割を失ってしまうのですが、神が人を造られた本来の役割と目的は何であったか、知っておくことはとても大切です。的外れな生き方、的外れな支配をしないためです。
現在の私たちは、御子キリストを信じる信仰によって、神の支配(神の国)の祝福を回復しています。世界を祝福するという役割も取り戻しています。
では、私たちはその役割を果たしているでしょうか。クリスチャンはキリストの御名の権威によって、神の支配を執行することが許されています(マル16:17、ヨハ14:13)。また、聖霊が私たちを通して働かれ、神の国の力を現してくださいます。私たちを通して、人々が神との和解に導かれ、祝福を回復し、私たちと同じ喜びを取り戻していきます。人々が神を信じるように説得するよりも、まず人々を祝福することが本来の「支配」の仕方なのです。
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