No.028 神に反逆した結果⑤ 死ぬ
- 2020.01.22
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記2章17節
それを取って食べるとき、あなたは必ず死ぬ。
ローマ5章12節
ひとりの人によって罪が世界に入り、罪によって死が入り、こうして死が全人類に広がった……。
ここで、「罪から来る報酬」(ロマ6:23)である「死」について述べておきます。
主が、善悪を知る木から食べるなら「必ず死ぬ」と警告されていたとおり、罪と死が世界に入り、死が人間を支配するようになりました。死の支配下に入った人間は、エデンの園から追放されます。エデンは神の国の原型であり、「永遠のいのち」が支配する所でした。しかし、人はその「永遠のいのち」から切り離されたのです。いのちの主である創造主との断絶です。
創造主から切り離されると、人間はどうなるか。
迫りくる死の恐怖におののくようになります。それは、創造主の裁きへの恐れです。
創造主に反逆した疚しさを心に抱え込みます。罪責感です。
宇宙の孤児のように孤独に苦しむことになります。愛への絶望的な渇きです。
自分は目的なく偶然に存在している、と考えるようになります。存在の尊厳と生きる意味の喪失、つまり虚無です。
人間はこれらの闇の中でもがき、解放を求めます。しかし、罪に閉じ込められ、死に縛られた人間は、創造主に立ち返ろうとはせず、自分の知恵と力で解決しようとします。
仕事や競争や遊びに没頭して、死の恐怖、心の疚しさ、孤独感、人生の虚しさを忘れようとします。人生は、肉体が死ぬまでの気晴らし、暇つぶしのゲームのようなものです。哲学や宗教を作って、生きる意味や目的を捏造しますが、最終的には罪と死の力に飲み込まれてしまいます。死んだら無です。永遠の闇です。
しかも、罪と死は、創造主と人の間だけでなく、人と人の間にも断絶をもたらします。罪と死の力は、人と人の平和を奪い、夫婦、親子、兄弟、男女、民族と民族、国と国との間に、次々に敵意や「隔ての壁」を作っていくことになります。憎悪、争い、殺人、戦争の始まりです。
さらに、罪と死は、人と自然と間にも断絶を引き起こします。人は、神から与えられていた「地と生き物を支配し、治める」という権威を失い、そして、その良き管理者を失った自然のほうは「虚無に服し」、「滅びの束縛」を受けて、呻くようになっていきます(ロマ8:20-22)。また、自然と人の不和は、災害や気象異常や病気などをもたらし、人は自然とも戦っていくことになるのです。
これが罪と死に支配された世界の生活、「サタンの国」のライフスタイルです。
しかし、創造主はこの事態を放置されるわけではありません。神の国の回復の計画を発動されます。
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