No.029 神の国の回復計画
- 2020.01.24
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記3章15、21節
わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。
創造主なる神は、サタンの国の侵入を黙って見ておられたわけではありません。直ちにサタンに対し、「彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく」と、御子キリストによる勝利宣言をなさいました。神の国の回復の計画は、この勝利宣言から始まり、神の国の完成へと進んでいくことになります。
天地万物は「御子によって造られ、御子のために造られ」(コロ1:16)ました。ですから、御子自身が「神の国」の栄光を回復されるのです。
それゆえ、聖書の歴史は、御子キリストの来臨と再臨という勝利に向かって展開していきます。今後、神が人と結ばれる契約や、イスラエルに語られる預言は、キリストによる神の国の回復に焦点が当てられます。聖書のすべての出来事や登場人物の働きも、キリストの性質やわざの何かに結びついていきます。キリストは十字架によって罪を葬り去り、復活によって死の力を打ち破り、神と人とのつながりを回復されます。そして、最終的にサタンとその勢力を硫黄の池で滅ぼされるのです。
聖書の主人公はキリストです。人間ではありません。聖書の中心テーマはキリストです。キリスト自身が、「あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思うので、聖書を調べています。その聖書が、わたしについて証言しているのです」(ヨハ5:39)と語っておられるとおりです。
ときどき、天地万物は人間のために造られた、という教えを聞くことがありますが、聖書はそうは語っていません。御子のためです。人間は、御子が神の国を回復される働きに参加するという役割をいただいているのであって、御子が、人間の幸福を回復する人間の戦いに参加してくださるというのではないのです。このことは大切です。人間中心に聖書を理解するという誤りに陥るからです。
しかし、残念ながらサタンの策略通り、人間は自分自身が神のようになり、自分の栄光を現すために、人間中心に考え、行動するようになりました。サタンはそのような方向に人間を導くことで、サタンの国を拡大しようとするのです。
罪と死の世界は、サタンによって始まりました。人間はその計画に加担しました。このままサタンの国にとどまるなら、サタンと共に永遠の滅びに投げ込まれます。
一方、神の国の回復は、キリストによって始まりました。そして最終的に、キリストによって完成します。キリストの側についた私たちは、神の国に入り、勝利が約束された戦いを戦います。その戦いは、日々、キリストに始まり、キリストの勝利で閉じられます。それが神の国の暮らしです。
さて、エデンの園で始まった神の国とサタンの国の戦いは、アダムの子供たちの世代に引き継がれていきます。
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