No.039 ノアの洪水と神の国再興② ノアは、サタンの支配する世で神とともに歩む
- 2020.02.24
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記6章6—12節
それで主は、地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛められた。そして主は仰せられた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜やはうもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを残念に思うからだ。」 しかし、ノアは、主の心にかなっていた。これはノアの歴史である。ノアは、正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。(6—9)
サタンの勢力がすべての人々を飲み込み、罪と悪が地上を完全に支配するまでになりました。主が「人を地の表から消し去ろう」と決められるほどに、世は「神の前に堕落し、暴虐で満ちて」(11)しまいました。「サタンの国」の大勝利です。
主なる神は、人を神に似せて造り、祝福し、「非常に良かった」と宣言し、地をすべての良きもので満ち足らせ、その上で地を治める務めをお与えになったのです。主からすれば、「一体、何の不足があるというのか」と言いたいところです。
「神のかたち」に造られた人間は、幅広い可能性を持った生き物です。主を信じるなら神の子供とされます。キリストに従い通すなら、「神のかたち」を完全に回復し、「キリストに似た者」になることが約束されます(Iヨハ3:2)。しかし、自由があるがゆえに、落ちていけばどこまでも堕落して、狼、豚、犬、ゴキブリと呼ばれるまでになり下がれます。豚はたとえどんなに堕落することがあっても豚のままでしょうが、人間はもはや人間とは言い難いところにまで落ちていくのです。
人間は主に逆らい続け、主に人間を造ったことを悔やませるほどに、腐りはててしまいました。家は人が長らく住まなければ朽ちていき、やがて住むのが危険になり、取り壊されます。もはや家とは呼ばれず、廃屋や廃墟と呼ばれます。人間も主の霊がとどまらなければ(3)、腐りはてて、もはや人間とは呼ばれず、危険な生物と呼ばれます。人類がこのまま棲息し続けたなら、世は完全に「サタンの国」になってしまうのです。
義なる神はこの事態を放置することができず、この地を洪水で滅ぼすことにされました。人類の大敗北です。
しかし、そんな暴虐の世にあっても、神とともに歩み通した「正しい人」「全き人」がひとりだけいました。ノアです。まさに奇跡です。「アダム」の性格を受け継ぐ私たちは、人のせい、社会のせい、環境のせいにしたがりますが、ノアは暗黒の世に屈せず、全き光として輝いたのです。いわば未来に希望をつないでいく「残りの者」です。
どんな時代にあっても、世と歩調を合わせず、主の希望をつなぐ「残りの者」(45:7、イザ10:21~22など)がいます。「神の国」を受け継ぐ人たちです。この人たちは、他の人々が不正でどんな得をしていようと、また人間の理屈をこねて賢く見えようとも、それに影響されずに歩みます。少数派であっても、恐れません。
私たちもこの「残りの者」に加わることが期待されています。それは、滅びを間近に控えた時代に、「箱舟」を建造する働きに参加することです。
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