No.044 ノアの洪水と神の国再興⑦ ノアとの永遠の契約
- 2020.03.13
- 三つのテーマで読む創世記(上)
創世記9章8-17節
わたしはあなたがたと契約を立てる。すべて肉なるものは、もはや大洪水の水では断ち切られない。もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない。(11)
わたしは雲の中に、わたしの虹を立てる。それはわたしと地との間の契約のしるしとなる。(13)
これは、主がノアと、そして箱舟で生き延びた生き物との間に結ばれた契約です。ノアからすれば、ノアがその子孫(全人類)を代表して、創造主と結んだ契約です。今もなお生きている永遠の契約です。
大洪水が始まるとき、「天の水門が開かれ」、大雨が、四十日四十夜、地の上に降りました(7:11、12)。その結果、「大空の上にある水」(1:7)、つまり厚い雲がほとんど消えたと考えられます。太陽の光が地上に差し込むようになり、空に雲が起こると、「虹が雲の中に現れる」ことになりました。神は、この虹を立てて、契約のしるしとされたのです。
アダムが、神との契約(2:16、17)を破って以降、神が人と結ばれる契約は、すべて恵みの契約となりました。主が、人の行いの何たるかにかかわらず、最終的には無条件に成就される契約です。ノアとの契約も、「もはや大洪水が地を滅ぼすようなことはない」という恵みと憐みの約束です。
それゆえ、虹は、第一に、神ご自身のためのしるしです。神が、この恵みの契約を思い出されるためのしるしなのです(15)。
第二に、虹は、神が恵みと憐れみを地に注いでおられることを思い起こすためのしるしです。虹は、すべての人に見えます。虹は、「ヤコブのはしご」(28:12)のように天と地をつなぎ、主の祝福が天から地へと流れていることを、人々の記憶にとどめさせるための象徴なのです。
また、虹は、天にある神の栄光や威厳を表します(エゼ1:28、黙4:3、10:1)。人間は虹を見るたび、栄光の主をほめたたえるように促されるのです。
これから、洪水後の「神の国」の新しい世界が始まります。と、同時に「サタンの国」の逆襲も始まり、その支配が広がっていきます。間もなく、カインとのその子孫が生み出した「神を排除した社会」、そして「人間中心主義の文化が」復興します。
しかし、たとえこの地がどのようになろうとも、天においては、神の国の計画は進んでおり、そして天から地には変わらず恵みが注がれています。虹は、その神の変わらぬ支配と慈愛を語り告げるのです。
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