No.046 サタンの国が復興する兆し

No.046 サタンの国が復興する兆し

創世記10章
クシュはニムロデを生んだ。ニムロデは地上で最初の権力者となった。彼は主のおかげで、力ある猟師になったので、「主のおかげで、力ある猟師ニムロデのようだ」と言われるようになった。彼の王国の初めは、バベル、エレク、アカデであって、みな、シヌアルの地にあった。その地から彼は、アシュルに進出し、ニネベ、レホボテ・イル、ケラフ、 およびニネベとケラフとの間のレセンを建てた。それは大きな町であった。(8-12)

罪は死をもたらします。死は、いのちの源である神との関係の断絶です。アダムが善悪の木からとって食べて以降、死が人類に入り、あらゆるところに断絶、分裂を生み出していきました。一旦、罪の世界は洪水でリセットされましたが、サタンの勢力は、またじわりと浸透していきます。

罪と死の力は、富める者と貧しき者、支配する者と支配される者、身分の高い人と低い人に分けていきます。最初は、能力や性格、病気やケガ、偶然の機会や事故などの様々な要因が重なり合って、生じていった小さな差かもしれません。しかし、その差が人間の持つ罪の性質(自己中心性など)で拡大していくのです。そして、ついには人間の権力者が登場することになります。

ハムの子孫のひとり、クシュから出たニムロデが、武力によって地上で最初の権力を握り、王となります。王への権力と富の集中が始まり、ニムロデはシヌアルを中心に王国を拡大していきます。「彼の王国の初めは、バベル……」とありますが、バベルはやがて主に対抗する町になります。そのことを考えると、ニムロデの王国は、カインが建てた「神を排除した町エノク」の流れを受け継いでいたといえましょう。エノクの町は滅んでも、時代を経て、罪の文化はどこからともなく湧き上がって来るのです。

ハムの呪いを被ったカナンからは、ヘテ、エブス、エモリ、ギルカシ、ヒビなどの民族が出てきます。彼らは、ヨシュアの時代に咎の許容量が満ちて(15:16)、主に滅ぼされます。また、カナン人の領土のソドム、ゴモラもその罪の重さゆえに硫黄の火で消滅します。呪われた民は、呪われた道を選んでいきます。また、呪われた道を歩むがゆえに、呪われた民族になるのです。

神の視点では、原因と結果は一つです。ゆえに、呪われた道を自ら歩んではなりません。それは、自分が呪われた者であることを証明することになります。

一方、セムはアルパクシャデからシェラフ、……テラ、アブラハムへと祝福をつないでいきます。セム族は祝福されているから、信仰の父アブラハムを生み出します。信仰で祝福を受け止めるから、祝福された民族になるのです。

私たちは主の不可抗力的な恵みで選ばれて、「神の国」に入り、祝福されています。そして、その祝福を信仰で受け止め、「神の国」の住人であることを証しするのです。主の恵みと祝福が先にきます。そして、次に人間の信仰です。この原則はアブラハム、イサク、ヤコブへと受け継がれます。